光学的直線性測定デバイスで、機械工学およびプラント工学でのカメラを活用した部品測定を支援します。

カメラを活用した位置合わせおよび測定システムで、機械工学分野での直線性と平面度をすばやく精密に測定します。

直線性と位置合わせは、プラントを故障を起こさずに操業するために、特に大型機械部材やレール建設を扱う場合に重要です。わずかな誤差があっても摩耗の兆候が増し、システム全体が機能不全に陥ります。したがって直線ガイドなどの精密な位置合わせや測定は、システムの品質やサービス寿命を左右します。ELWI-GER 3000 を使って、ミュンヘンの HOFBAUER OPTIK Mess- & Prüftechnik は機械および特殊機械メーカーに適切な計器を提供しています。光学的位置合わせおよび測定システムは、uEye 産業用カメラを利用してすばやく精密に機能し、最大 100 m までの長距離に対応します。

用途

電子式オートコリメータは、非接触式高精度測定に光の絶対直線性を利用しています。角度を変えることで、表面やガイドのわずかな直線性のずれも見逃しません。このために、個々の並行ビームをまとめた光パッケージである平行光線が光学系から照射され、平面ミラーに反射します。HOFBAUER OPTIK 製 ELWI-GER 3000 電子式オートコリメータでは、直線性と平面度の 2 次元測定を精密かつ迅速に行えます。この柔軟なシステムを技術的表面で位置合わせや直線ガイドの制御に使用でき、大型部材やレールシステムの曲率測定にも仕様できます。したがって、プラント建設や、トラックおよびトンネル建設にも最適です。直線性の基準となる石製定規を検査する作業にも使用できます。たとえば、長さ 160 cm の花崗岩定規を 5 分以内に精度 0.5 µm/m 未満で測定できます。光学検査機器で X 方向と Y 方向の直線性を同時に記録し、あらゆる位置 (空間軸) で使用できます。システムには測定ヘッドと各種のアクセサリがあり、調整可能なホルダー、測定ミラー、接続式レーザーが用意され、ディスプレイ装置への USB 接続も可能です。それでいながら小型でコンパクトで、バッテリーモードで最大 8 時間動作するので、サービス用途に最適です。

システムは IP65 準拠の丈夫なタブレットを使用して、直感的なタッチスクリーンアプリケーションで直接操作でき、実用的です。スマートフォンを介してデータ転送と測定システムのリモート制御も可能です。PC を別途用意しなくても、直線性を直接評価できます。文書追跡の自動手順により、測定ごとに PDF 形式でレポートが提供されます。

カメラ技術による高速で精密な測定

「ELWI-GER 3000 を利用して、機械工学分野で精密測定テクノロジーの一貫した開発を継続しています。IDS Imaging Development Systems の内蔵 uEye 産業用カメラはこの面で大きく貢献しています」と、HOFBAUER OPTIK Mess- & Prüftechnik のオーナーで開発マネージャーである Engelbert Hofbauer 博士は言います。

システムは、モノクロ LED ライトで、十字または口径食部分 (画像の周囲が暗くなっている) を確認します。これは、同じ直径を持つ 2 つの円の面積の相関関数から数学的に導かれます。後者は前述のように、遠隔ミラーから照射された光円錐の反射により、自動コリメーションから発生します。画像またはカメラでの強度分散は円錐を成し、それによって複数の V-SPOT もさまざまなアプリケーションで表示できます。V-SPOT の正確な位置はサブピクセルの精度 (peak-to-valley で 1/50 ピクセル未満、二乗平均から偏差 1/100) で計算されます。これに基づき、3 次元 (自由度) までの対応する角度と同時に、位置の自由度 3 までを決定できます。

特許取得の口径食手法により、Hofbauer は従来の自動コリメーション手法の問題を克服し、非常に大きな角度 (1000 秒 = 17 mm/m) からでも第 2 角精度で 100 m 以上の長さを測定し、ティルト手法に従って評価する、世界初の企業となっています。

測定技法

ユーザーは 2 種類の測定手法を使用できます。傾斜法では、ミラーベース上または直線ガイドウェイのガイド台上にある測定ミラーが、検査試料上を等しい大きさのステップで移動し、傾斜の変化が測定されます。部分断面から判定した高さの差の合計 (積分) から直線性を決定し、表示します。この手法では、精度が最大で、測定の不確定性が最小になります。用途によっては、高さ法も測定に使用できます。適切なベースや線形スライドまたは可動軸 (工作台、横桁など) に反射板を取り付けることもでき、経路上の任意の位置に設定できます。理想的な直線 (光学軸) とのずれが測定され、すぐに直接表示されます。これには、調整プロセスを直接実行できるというメリットがあります。

カメラモデル

ELWIMAT-GER 3000 にはカスタムアプリケーションに応じて、uEye カメラファミリーの産業用カメラが 1 台搭載されています。GigE または USB 3.1 Gen 1 インターフェースを備え、ボードレベルモデルやハウジング付きのさまざまなモデルが用意されています。低コストのプロジェクトカメラでもコンパクトなパワーパックでも、どれもが操作が手軽で、長期寿命と長期提供が保証されています。すべてのモデルが完全に品質検査に合格し、事前校正済みです。多岐にわたる IDS ソフトウェアと IDS 標準のプラグアンドプレイ機能により、すばやく容易に統合できるので、きわめて経済的です。

たとえば UI-3272LE-M-VU は、先進的なリバーシブル USB Type-C コネクターを搭載した uEye LE USB 3.1 Gen 1 シリーズの、コスト効果の高い汎用プロジェクトカメラです。USB Power Delivery を介して、周辺機器にさまざまな電力を I/O ポート経由で供給できます。Sony IMX265 エリアセンサーを搭載しており、これは 3 MP ピクセルクラスで最高レベルの画像センサーです。1/1.8 インチサイズのグローバルシャッター CMOS センサーは、多数のレンズに対応します。産業用カメラは、フル解像度 (3.2 MP:2056 x 1542 ピクセル) で最大 57 fps、フル HD 解像度で 80 fps のフレームレートを発揮します。このため、USB 3.1 Gen 1 カメラは、マシンビジョン用途の視覚化作業に最適です。ボードレベルモデルには、ELWIMAT と同様に垂直 (-VU) または水平 USB Type-C コネクターがあり、GPIO、トリガーとフラッシュ用の 10 ピン I/O SMD コネクターもあります。

テクノロジーを活用しているので、同等以上のケーブル長で、データ転送レートは 480 MBit/s から 5 GBit/s に向上します。フルスクリーンモードでの測定頻度は 12 fps から 57 fps と、5 倍になりました。振動および周波数分析での特殊用途では、AOI テクノロジーやサブサンプリングおよびビニング手法を使用してクロックレートを KHz レンジに拡張できます。

UI-3272LE-M-VU はセンサーの中央エレメントに取り付けられます。
UI-3272LE-M-VU はセンサーの中央エレメントに取り付けられます。

ソフトウェア

Hofbauer は IDS Software Development Kit を使用して産業用カメラをシステムに統合しています。「IDS SDK により、すべての IDS カメラに統一されたプログラミングインターフェースを利用できるというメリットがあります。このため、モデルの接続形式が USB 2、USB 3.1 Gen 1、GigE のいずれであっても、プログラミングできます」とHofbauer 博士は言い、さらに次のように付け加えます。「さらに、ソフトウェアを変更しなくても新しいカメラモデルに対応します。これは測定技術に対するどのような厳しい要求にも、簡単な操作で対応するという、当社の目標に完全にかなっています」 IDS ソフトウェアを使用するその他の理由は、EEPROM と GPIO などの追加機能を簡単に使えることです。SDK は Windows および Linux に互換性があります。

今後の予定

直線性と位置合わせは、機械工学およびプラント工学で不可欠な要素です。ELWI-GER 3000 によって、多彩な用途での測定、調整、結果の記録が簡単になります。角度のわずかな違いも見逃さずに測定できます。競合製品とは違い、精度 0.5 μm/m の精度で 100 m を超える長さの直線性を測定します。これは 100 m を測定するのに誤差が 0.05 mm ということです。可動式で柔軟に活用できて豊富なアクセサリが用意されているので、お客様にとって実用的なメリットがもたらされます。カメラ対応で光のみを使用するので、システムは非接触式の「平面条件」になります。

Hofbauer