18 メガピクセルのカメラの顔認識技術で犯罪を阻止

18 メガピクセルのカメラの顔認識技術で犯罪を阻止

英国を拠点とする企業 Acumé Forensic は、鑑識業務に定評があり、殺人や強盗から詐欺まで、さまざまな犯罪の解決に利用されています。こうした事案の解決には、加害者を高精度で特定することが不可欠です。従来の身元特定プロセスでは、拘留時の撮影画像 (上半身) や CCTV ビデオに頼っており、画質が低いためにあまり役に立たないことがよくあります。画像がぼやけていたり不鮮明だったりすると、警察でも容疑者の特定に手間取ってしまいます。また、画像が記録されていも、人物がカメラに顔を向けていることはまずないため、特定作業はさらに困難になります。Acumé Forensic のような鑑識専門家のチームにとって、画質の悪い素材では作業が思うようにはかどりません。そこでリードを本拠地とする同社は、ブラッドフォード大学と共同で、犯罪解決を最終的な目標として、間違いなく身元を特定する先進的な技術を開発しました。

用途

鑑識の専門家が開発したシステムなら、巡回中の警察官でも、身元確認の対象者の鮮明で明瞭な原本を作成できます。英国内務省が発行したガイダンスによると、警察官は拘留した各人物について 5 枚以上の写真を撮ることとなっています。この写真の画質が高いほど、後で犯罪行為に関連する画像やビデオの証拠との照合が簡単になります。こうした考え方から開発されたのが「HALO」で、参考人を 3D によって身元確認する鑑識システムです。

どの「HALO」システムにも、IDS Imaging Development Systems GmbH が製造した 4 台の USB 3 uEye LE マシンビジョンカメラが搭載されています。このように特に性能を強化した CMOS カメラは、必要な 5 枚の侵入者の写真を異なる角度から 1 回の操作で撮影し、その画質は現在の基準をはるかに上回るものです。

どの「HALO」システムにも、IDS が製造した 台の USB 3 uEye LE マシンビジョンカメラが搭載されています。
どの「HALO」システムにも、IDS が製造した 台の USB 3 uEye LE マシンビジョンカメラが搭載されています。

システムは Acumé Forensic が開発したソフトウェアも同時に使用して、録画された画像とともに各個人に特有の生体認証用の顔データを撮影します。使用されるアルゴリズムは、人間の顔の 100 万を超える特徴を識別できます。取得される情報には、肌の色や質感、目、耳、鼻、口の形に関する詳細情報が含まれます。各個人の顔の、皮膚の色の違いを見分け、顔の造作に関するさまざまなサイズや統計情報、すなわち平均的な顔からどの程度隔たりがあるかなどを検出します。HALO は個人に固有の顔の特徴を記録し、わずかな部分しか見えていなくても、後で識別できるようにします。

USB 3.0 カメラには 18 メガピクセルのセンサーが搭載され、細部まで見逃しません。このため、特徴的な部位を目立たせて、不完全であっても画像内の情報に指紋と同程度の価値を持たせます。顔の 3D モデルが作成され、自動識別の現場で卓越した品質を実現します。

そのため、CCTV 撮影による容疑者の画像を、画質が低くても、人物がカメラ正面を向いていなくても、使用できます。「アルゴリズムで顔が学習されると、耳だけからでも人物を認識できます」と、システム開発に携わった、ブラッドフォード大学ビジュアルコンピューティング学科の Hassan Ugail 教授は説明します。

顔の 3D モデルが作成され、自動識別の現場で卓越した品質を実現します
顔の 3D モデルが作成され、自動識別の現場で卓越した 品質を実現します

産業用カメラ

カメラモデル UI-3590LE は onsemi 製 18 MP CMOS カラーセンサーを搭載し
カメラモデル UI-3590LE は 製 18 MP CMOS カラーセンサーを搭載し

顔認識を使用して犯罪者を見つけ出す可能性を高めるため、システム開発者である Peter Lowery 氏が率いる Acumé Forensic チームは、onsemi 製 5 MP CMOS センサーを搭載した 1 台の UI-3580LE-C-HQ カラーカメラと、3 台の UI-3590LE-C-HQ カメラを HALO システムに装備しました。この 3 台のカメラには onsemi 製 CMOS カラーセンサーが装備されており、VGA から 4K シネマ、18 MP フル解像度まで、精密な画像を撮影します。BSI (バックサイドイルミネーション) ピクセル技術により、高レベルの光感度が実現し、高解像度の視覚化作業に最適なセンサーとなっています。USB 3 uEye LE カメラの47 x 46 x 26.3 mm というコンパクトなハウジングも、犯罪捜査官にとって好評でした。コスト効果が高く場所を取らないプロジェクトカメラは、多様な用途に対応し、C/CS マウントレンズを取り付けると広角レンズも利用できます。

鑑識の専門家は、IDS カメラの互換性も徹底的に調査しました。IDS Software Development Kit には多数の例を扱ったサンプルプログラムが付属しており、鑑識のプロたちが適切なカメラメーカーを選定する決め手となりました。IDS Software Suite の .NET インターフェースのおかげで、USB マシンビジョンカメラの Acumé のアプリケーションへの統合は簡単でした。「IDS の最大のメリットは、多彩な製品シリーズ、さまざまなソフトウェアパッケージ、そして卓越したサポートです」と Peter Lowery 氏は言い切ります。

今後の展望 – シャーロック・ホームズとワトソン博士

USB 3 uEye LE と HALO の関係は、ワトソン博士とシャーロック・ホームズの間柄のようなものです。犯罪捜査に手を携えてあたる無敵のチームです。高解像度の画像を撮影して生体認証データを取得すると、このデータはまずローカルサーバーに保存され、その後、国内の警察のデータベースに登録されます。これによって、人物の身元特定とデータベース内の記録との照合を後で行えます。しかも、ローカルサーバーだけではなく、国レベルで実行できます。

HALO システムは、レスターシャー警察の協力のもと、ブラッドフォード大学によってまもなく導入される予定です。「プロジェクトでは、国内の警察署のデータベースを統合しており、その多くには異なるオペレーティングシステムが使用されています。つまり、このソフトウェアはこうしたデータベースにすばやくアクセスして、人物が誰であるか特定できるのです」と Ugail 教授は説明します。さらに将来的には、HALO を IDS マシンビジョンカメラで使用して、さまざまな犯罪事案を解決できるようになります。犯罪者にとっては都合の悪い話です。

IDS 産業用カメラ USB 3 uEye LE
http://www.acumeforensic.com