水滴のフォームを追う
高解像度USB3.0産業用カメラを用いた接触角測定
USB3.0インターフェース接続の産業用カメラは増加しています。USB3.0インターフェースは、これまでのボトルネックを解消し、最新の高性能CMOSセンサーへの橋渡しとなります。USB3.0インターフェースは、高解像度、高速フレームレート、そして高感度を必要とする、多くのビジョンアプリケーションの新しい可能性を広げます。測定器メーカーKRÜSSにとってこれらは極めて重要な機能なため、KRÜSSは動画ベースの水滴形状分析システムにIDS社のUSB3.0カメラを採用しています。
1200 x 800ピクセルの解像度で、最大毎秒200フレームまで停止することなく、ぬれ過程の撮像を可能にし、正確に分析されます。
用途
水滴形状分析は、水滴の影の画像(水滴に光をあて、逆側から撮影した画像)から接触角を測定します。また、ペンダントドロップ法を用いて影の画像から表面張力あるいは界面張力を測定することもできます。この方法は表面の液体の湿潤や付着挙動の測定・解析を可能にし、産業用の品質保証と化学・医薬産業の研究開発の分野で利用されています。
例えば、液体の表面張力は、洗浄処理や印刷、塗装、あるいはコーティングなどで重要となる要素です。これらの処理は、表面張力に的を絞った適切な影響を与えることで最適化できます。また、接触角の計測は、液体と接触させるために用意された固体の湿潤性を測定します。この湿潤性は、意図的に変化させることができます。例えば、必要に応じて塗装の準備のために湿潤性を高めたり、液体が綺麗に落ちてほしいときは、湿潤性を下げたりすることができます。
KRÜSS GmbHは、ぬれとコーティング分析のための、計測技術のリーディングサプライヤーの一社です。ハンブルグを拠点とするKRÜSS GmbH は、DSA25, DSA30, DSA100などの計測器とともに、動画ベースの接触角計測と水滴形状分析のためのユニバーサルな水滴形状分析器を開発・構築しています。
これらの計測器の基本的な機能は、比較的容易に説明できます。水滴を個体表面上に着滴させる(液滴法)または細い管の先端でしずくを作成(ペンダントドロップ法)し、カメラは水滴画像の撮影に用いられ、撮影された画像は画像解析ソフトに転送されます。画像のグレースケール解析は、初期輪郭線の検出に利用されます。次の工程で、水滴形状を輪郭線に描写し、幾何モデルを合わせます。こうすることでベースラインと呼ばれる水滴の画像から水滴と固体表面とで形成される接触角を算出できるようになります。
「接触角計測は通常、濡れのダイナミクスを捉えることも含んでおり、高解像度と高速フレームレートの組み合わせが不可欠です。要求されるデータ伝送性能を満たすためには、十分な帯域幅を持つインターフェースを必要とします。」と、KRÜSSの研究開発マネージャーのCarsten Scheithauer 氏は、使用したカメラの要求仕様をまとめながら語っています。
産業用カメラ
KRÜSSは、SONY社製センサーIMX174を搭載したIDS社のUSB3.0産業用カメラUI-3060CP Rev.2を含むuEye CPシリーズを水滴形状分析器に組み込みました。.
この万能なカメラは、スペースに制約がある計測器への組み込みが可能になるよう、たった29 x 29 x 29 mmサイズと非常にコンパクトにデザインされています。ねじ込み式マイクロUSB3.0とヒロセコネクターによる接続は、産業用途や非産業用環境の両方におけるカメラ利用に適しています。
USB 3 uEye CP カメラにはメモリが搭載され、最新世代の高性能なCMOSセンサーに対応できるよう、一貫して設計されています。これらCMOSセンサーの中には、高フレームレートでも鮮明な画像を撮像できるSONY社製の230万画素センサーIMX174を含みます。センサー素子に備わっているアナログメモリは、すべての画素信号を同時に読み出すことにより、焦点面の歪みを効果的に防ぎます。また、いくつかの露光時間での二重フレーム出力モードもサポートします。
二つの画像の組み合わせは、非常に低い読み出しノイズと高感度の付加により、ダイナミックレンジを73 dB (12 bits)まで上昇させます。「接触角計測のような特殊な処理は、低ノイズと優れた光変換効率が非常に重要です。」と、Carsten Scheithauer氏は語ります。カメラに搭載されたIMX174センサーの高感度のおかげで、微小な光さえも検出可能です。
KRÜSS社の水滴形状分析器で使用されているカメラは、通常1200 x 800ピクセルサイズの解像度で、最大毎秒200フレームまで、ぬれ過程を撮像します。測定の内容にあわせて、動画の撮影時間を1ミリ秒から数時間といった長さにまで変更することができます。「吸収性素材のぬれ計測などの短時間で進行する現象を調査するためには高速なフレームレートが必要となりますが、画像サイズを90 x 60ピクセルに削減することで毎秒2000フレームのフレームレートを達成するすることができます。このように得られたデータは、信頼性の高い分析に繋がります。」と、Carsten Scheithauer氏は語り、IDS社のUSB 3 uEye CPにより提供される可能性について強調しています。「我々の接触角を継続的に測定する手法では、動画の全フレームを利用しています。」
USB3.0インターフェースは膨大な画像情報を高速に漏れなくKRÜSS ADVANCEソフトウェアへ転送し、水滴形状分析は完全に自動で行われます。これにより、ユーザーの干渉による影響を受けず、客観性のある計測データを保証することができます。結果を提示する際、ソフトウェアは計測値に対応する画像を割り当て表示します。
表示された画像は、異なるパラメーターや方法を利用していつでも再分析ができます。時間のかかる保存や読み込みなどの画像管理は不要です。特別な機能として、カメラ画像を継続してバックグラウンドで録画ができる機能があります。この機能は、計測が実行されていないときにも行われます。ライブ映像は、すでに録画した内容を分析するため、どのタイミングでも停止でき、また動画ファイルとしても保存が可能です。例えば、ぬれの時間で計測が始まっていない場合でも、重要な情報は失われません。
ソフトウェア
IDS社のカメラは、SONY社のIMX174などの最新のCMOSセンサーのすべての機能をサポートするIDSソフトウェア開発キット(SDK)の一部であるuEye APIを利用して、KRÜSSの画像分析ソフトに組み込まれています。IDS社のカメラパッケージには、Windows および Linux (32-bit及び64-bit)用のSDKが含まれ、USB3.0、USB2.0とGigEすべてのインターフェースのカメラモデルで同じSDKの利用が可能です。
KRÜSS社のようなOEMのお客様にとっては、2つの利点があります。一つ目は、カメラを素早く簡単にシステムに組み込むことができることです。二つ目は、すべてのモデルとインターフェースで動作することです。例えば、どのタイミングでカメラモデルを変更しても、問題になりません。一度開発したアプリケーションは、再プログラムする必要がなく、カメラのパラメーターを調整するだけで済みます。IDSドライバーの理念は、USB3.0インターフェースのように、将来も使い続けれるものであるというです。KRÜSS社のようなOEMのお客様にとりまして、USB3.0及びIDSがPC環境での長期的なスタンダードとなり、ユニバーサルな安定供給、プラグ&プレイの利便性、そして高速データ処理レートなどの利点から、将来の継続的な成功を保証し、更なる開発における基盤を提供する存在であることを確信しております。
新しい USB 3 uEye CP - 非常に高速、 確かな信頼性、 並外れたセンサー
- インターフェース: USB 3.0
- 名前: UI-3060CP Rev. 2
- センサーのタイプ: CMOS モノクロ
- メーカー: Sony
- フレームレート: 166 fps
- 解像度 (h x v) : 1936 x 1216 px
- シャッター: グローバルシャッター
- 光学クラス: 1/1.2"
- 外形寸法: 29 x 29 x 29 mm
- 重量: 52 g
- インターフェースコネクター: USB 3.0 micro-B、ねじ止め式
- I/O コネクター: ヒロセ製 8 ピンコネクター
顧客: KRÜSS
は界面化学のスペシャリストで、表面および界面張力の測定機器の世界最大級のサプライヤです。高精度製品ソリューションおよび科学的アドバイスの顧客は主に、研究開発ラボラトリです。
https://www.kruss-scientific.com