省スペースでコスト効率の高い装置工学向けカメラソリューション

基本要素に焦点を絞る

省スペースでコスト効率の高い装置工学向けカメラソリューション

産業用カメラをシステムで使用するエンジニアや OEM のお客様は多くの場合、コスト効果、省スペース性を求めて、ボードレベルソリューションを選択します。このソリューションはまた、基本機能を重視しています。IDS の uEye LE シリーズのシングルボードカメラはわずか 36 x 36 mm の超コンパクト設計で、デバイスや組み込みシステムでは空間が限られていることが多いため、貴重な存在となります。フランスのメーカー Kloé は、デスクトップシステムとして設計されたこのカメラシリーズをマスク描画装置に使用し、フォトマスクの正確で高速な位置合わせを実現しています。

用途

フランス・モンペリエに本社を置く Kloé は、マイクロファブリケーション専用のさまざまな装置の開発製造を行っています。ポートフォリオの中でも注目すべきは、マスクレスダイレクトレーザーリソグラフィシステムと UV LED マスキング、マスクアライナーシステムです

後者は特にマイクロチップの製造に使用されていますが、マイクロ光学機器およびバイオテクノロジー (Lab on Chip) にも使用され、シリコン、ガラス基板、ウェーハ上のパターンにフォトマスクを位置合わせして、その下の表面に露光します。

CPU などのマイクロチップは、何段もの層が積み重ねられて電子回路を構成し、チップの全機能を実現します。各層の電気接続を保証するには、製造時に層を互いに正確に配置する必要があります。十字、四角形、マイクロ目盛などのアライメントマークを、ウェーハに置かれた最初の描画します。これらのパターンを以降の層のアライメントに使用して、UV 露光の前にフォトマスクのターゲットを調整します。

アライメントを正確かつ容易にするため、Kloé は産業用カメラを活用し、2 台の IDS シングルボードカメラをそれぞれ、最新の UV-KUB 3 マスクアライナーに使用しました。USB 2 uEye LE シリーズの 2 つのカメラモデルはわずか 36 x 36 mm です。今後発売されるレンズホルダーなしのバージョンは高さ 5 mm です。Kloé はカメラを特殊光学システムに直接取り付け、このソリューションは省スペース性に非常に優れたものになりました。カメラは両方とも USB 2.0 で Linux-Embedded コンピューターに接続されています。拡大された位置合わせマーク付きで撮影された画像が、デバイスの統合画面に直接表示されます。ジョイパッドを使用して、オペレーターはフォトマスクを正確に位置合わせできます。

「代わりに双眼顕微鏡を使用するというやり方もあったのですが、シングルボードサイズの産業用カメラのほうが場所を取りません」と、Kloé のレンジマネージャーを務める Benjamin Rolland 氏は UV-KUB シリーズの利点の 1 つをこのように説明しています。「弊社のシステムはデスクトップ システムとして設計されています。横方向の長さはたった 47.5 cm なので、直径 100 mm のウェーハ領域に 5 インチのフォトマスクを露光できます。大型画面で使用すると、一層使いやすくなります。このようなシンプルな画像処理方法 (コントラスト強調、HDR) を考慮して、誤差 2 ミクロン未満という高い精度のアライメントを達成できました」

UV-KUB3: 位置合わせマークを 2 μm 未満の精度で配置できる、IDS の 2 台の組み込みボードカメラがあります。
UV-KUB3: 位置合わせマークを 2 μm 未満の精度で 配置できる、IDS の 2 台の組み込みボードカメラがあ ります。

産業用カメラ

Kloé と同様に、OEM のお客様にもカメラや画質、解像度に対して各社固有の要求があります。したがって、IDS の uEye LE シリーズは多様なボードカメラに対応するさまざまなバージョンを揃えています。GigE、USB 2.0、USB 3.0 に対応するモデルに加えて、最近では USB 3.1 Type-C コネクタ搭載モデルも用意されています。

レンズホルダーありとなし: IDS の USB2 uEye LE シリーズボードカメラはわずか 36 x 36 mm です。
IDS の USB2 uEye LE シリーズボードカメラはわずか 36 x 36 mm です。

同様に、センサーについてもさまざまなバージョンがあり、0.4 から 18 メガピクセルの解像度に対応します。レンズホルダーなしのシングルボードカメラ、S マウントまたは CS/C マウント付きのシングルボードカメラ、さらにハウジングバージョンが用意されています。OEM のお客様は、ニーズに最適で、必要な機能が搭載されているカメラを簡単に見つけられます。過不足なく、ぴったりのカメラを選べます。

Kloé では装置ごとに 2 つのモデルの UI-1242LE を取り付けました。レンズホルダーなしの USB 2.0 ボードカメラには、光感度が非常に高い ev 製 1.3 メガピクセル CMOS センサー (1280 x 1024 px) が搭載されています。同社は、モノクロバージョンのセンサーを使用しています。CCD 品質の卓越した光感度に加えて、カメラは多数の便利な機能を備えています。センサーに搭載されたグローバルシャッターとローリングシャッターの 2 つのオプションは切り替え可能で、変化する要件や条件に柔軟に対応します。対象範囲 (AOI) は最大で 4 つまで使用できます。

5V 給電、トリガーとフラッシュ、周辺デバイスを制御する 2 つの GPIO と I2C バスを備えた Hirose 製 8 ピンコネクターにより、ほぼあらゆる接続用途に柔軟に使用できます。

ソフトウェア

柔軟性の点では、すべての IDS カメラについて同一の SDK のおかげで、OEM のお客様はデバイスの機能拡張を引き続き柔軟に行えます。uEye API を使用して、Kloé はボードレベルカメラのすべてのセンサー機能をアプリケーションにすばやく簡単に取り込めました。

API は IDS Software Suite の一部であり、Windows 7、8、10、および Linux および Linux Embedded に対応しています。SDK は IDS のカメラの供給品に含まれており、USB 3.0、USB 2.0、または GigE インターフェースのどのモデルでについても同一です。そのため、モデルやインターフェースに関係なく、カメラを統合できます。

エンジニアは USB 2.0 カメラをより強力な USB 3.0 または Gigabit Ethernet インターフェース搭載モデルに、簡単に変換できます。アプリケーションの再開発は不要で、カメラ固有のパラメーターを調整するだけで済みます。IDS Software Suite にはカメラ統合と画像撮影のプログラミングデモも付属し、C、C++、VB の対応するソースコード付きです。開発者は各自のプログラムで使用するパラメーターをすばやく抜き出せます。HALCON、MERLIC、NeuroCheck、LabVIEW などのその他のマシンビジョンソフトウェアやダイレクトインターフェースも用意されています。

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