人工知能で画像ベースの検査を自動化

良いものを取り分ける

人工知能で画像ベースの検査を自動化

すべての業種と分野において、製品への高い要求に加えて、時間とコストへの要求への対応力、競争力を高めるための決定的な要素になっています。食品業界でも自動車業界でも、品質、安全性、速度は企業の成功を左右する要素として、重要性が高まっています。欠陥ゼロの生産が目標です。では、生産ラインで欠陥のない製品だけを製造するには、どうすべきでしょうか。品質上の誤った判断から高いコストを招く事態を避けられるでしょうか。この信頼性を検査するため、品質保証ではさまざまな手法が使用されています。

肉眼での視覚的検査も可能ですが、ミスが発生しやすく、コストがかかります。目は疲労し、作業時間には費用が伴います。それに対して機械式検査には、通常は複雑な校正作業が伴います。これは、あらゆるエラーを検出するため、ソフトウェアとハードウェアの両方のすべてのパラメーターを設定して調節する作業です。 さらに、製品や材料が変更されるたびに再校正が必要になります。そのうえ、従来のルールベースのアプローチでは、プログラマーや画像プロセッサーがシステム専用にルールをプログラミングして、システム向けにエラーの検出方法を記述しなければなりません。これは複雑な作業で、エラーの種類は多岐にわたるので、対処は非常に困難になります。こうしたことから、不相応な時間とコストがかかりかねません。品質検査を効率的でシンプルにして、信頼性とコスト効率をできるだけ高めるため、ドイツの企業 sentin GmbH は、IDS の産業用カメラとディープラーニングを使用して、高速で確実にエラーを検出するソリューションを開発しました。従来の画像処理とは異なり、ニューラルネットワークは学習により、画像自体に基づいて特徴を認識するからです。これこそ、インテリジェントな sentin VISION システムのアプローチです。 AI ベースの認識ソフトウェアを使用し、少数のサンプル画像に基づいてトレーニングできます。IDS の GigE Vision CMOS 産業用カメラと評価ユニットと組み合わせて、既存のプロセスに容易に組み込むことができます

用途

システムは物体、パターン、さらには欠陥を切り分けられます。 検出が困難な表面でも、システムは停止しません。従来の用途には、自動車産業 (金属面上の欠陥を検出) やセラミック産業 (光沢面や反射面上のへこみを可視化して欠陥を検出) のほかに、食品産業 (物体およびパターンの認識) などがあります。

用途に応じて、エラーや異常を検出するように AI がトレーニングされます。異常の場合は、システムはトレーニングによって良品と不良品を見分けます。たとえば自動車業界での金属部品やセラミック部品などの表面構造を検査する場合、人工知能が参照画像と比較し、その違いからエラーを検出します。異常検出とトレーニング済みのモデルを使用して、システムは、少量のサンプル画像を基準として良品と異常を検出します。

トレーニングと評価に必要なハードウェアの準備は、IDS 産業用カメラと適切な照明環境です。使用する認識モデルは、参照画像を使用してトレーニングされます。たとえば、エラーが発生しやすいテキスタイル産業での繊維ウェブの検査向けに、システムと AI モデルを設定できます。ミスは主観的で非常に小さいので、これは困難な作業です。特定の顧客要件に応じて、テキスタイルと織物素材に最適な画像を撮影するシステムカメラが IDS との協力のうえ選択されました。高解像度データを提供する GigE Vision CMOS カメラ (GV-5880CP) が選択されました。正確なタイミングでトリガーされ、高精度の画像評価を行います。

システムは「良品」の布地構造の構成要素を学習し、数件の布地の画像から、キズや欠陥のない製品をトレーニング済みです。品質検査では、IDS Vision CP カメラで撮影された画像は GigE インターフェースを通じて評価コンピューターに転送され、認識モデルで処理されます。このコンピューターは良品と不良品を確実に見分けて、違いを強調表示します。エラーが発見されると、出力信号を送出します。このような方法で、抜けや誤った不良判定をすばやく容易に減少できます。抜けとは、基準に満たないのに見過ごされ、仕分けられずに苦情の原因となる製品の割合です。これに対して誤った不良判定とは、品質基準を満たしているのに、誤って除外された製品です。

システムのハードウェアもソフトウェアも、柔軟です。布地が複数ある場合や幅が広い場合には、簡単にカメラを追加して設定できます。必要に応じて、ソフトウェアに AI モデルを再トレーニングさせることもできます。「個々の環境は小規模なので、一定量の再トレーニングが常に必要であることがわかりました。当社のポートフォリオからトレーニング済みのモデルを選べば、個別化とトレーニング後に必要な参照画像は少なくなります」と sentin の CEO 兼創立者である Christian Els 氏は語ります。この場合、布地の構造化された表面と表面状の小さな異常を示し、右側の画像では除外されています。

カメラ

高精度の画像取得と精密な画像評価は、使用するカメラの要件の中でも最も重要視されます。この要件に最適なのがGigE Vision CMOS カメラ GV-5880CP です。このモデルは 1/1.8 インチローリングシャッター CMOS センサー Sony IMX178 を搭載しており、6.4 MP (3088 x 2076 px、アスペクト比 3:2) という超高解像度を実現します。フル解像度で最大 18 fps のフレームレートで、品質管理での視覚化作業に最適です。BSI テクノロジーを搭載した Sony STARVIS シリーズのセンサーは、IDS のカメラポートフォリオでも最も光感度が高いセンサーで、毎秒 2 電子未満と SCMOS センサー (Scientific CMOS) に迫る性能です。非常に暗い環境でも優れた結果が得られます。センサーサイズ 1/1.8 インチで、GigE Vision カメラモデル GV-5880CP 向けのさまざまな C マウントレンズを選択できます。「解像度とフレームレートに加えて、インターフェースと価格も、カメラを選ぶ決め手でした。IDS 開発部門と直接やり取りできたので、カメラ統合に必要な時間を短縮できました」と、sentin のテクニカルマネージャー Arkadius Gombos 氏は言います。sentin VISION システムとの統合は、GenTL および Python インターフェースを介してなされました。

IDS の GigE Vision カメラ GV-5880CP は繊維ウェブの検査時に、高精度の画像取得と精密な画像評価を実現 - sentin GmbH
IDS の GigE Vision カメラ GV-5880CP は繊維ウェブの検査時に、高精度の画像取得と精密な画像評価を実現 - sentin GmbH

まとめ

人工知能を搭載した自動化された画像ベースの品質管理には、肉眼による検査や従来のマシンビジョンアプリケーションよりもメリットが多数あります。「AI ベースの画像解釈では、人間がエラーを検知できる画像を作成することが目的です。そうすると、AI モデルでも検出できるからです」と Christian Els 氏はまとめます。システムは人間と同じように、学習によって製品の要件を認識します。しかし、人間の脳は一貫性と信頼性の点で、人工知能には太刀打ちできません。人間がどれほど突出した能力を瞬間的に発揮できても、AI はさらに多くの複雑なエラーパターンを認識できます。また、人間の目は、疲労や視力の面ではカメラに勝てません。そこで、ディープラーニング認識ソフトウェアと組み合わせた画像処理システムで、高速で正確な検査が実現します。用途に応じて、画像撮影と評価は数ミリ秒で処理できます。

システムは表面検査などの他の分野にも応用できます。同様の用途には、艶消し金属/コーティング加工面 (自動車の内装)、天然素材 (石、木)、皮革などのテクニカルテキスタイルなどがあります。消費財のキズ、ひび、その他の不良箇所を検出し、該当する製品を除外できます。

「良いものを取り分けて、悪いものを捨てる」とは、品質保証のフレームワークにおいて欠かせないプロセスです。IDS カメラを sentin GmbH のディープラーニング支援ソフトウェアと組み合わせると、欠陥の検出や品質管理での物体認識の最適化が飛躍的に進みます。これにより、さまざまな業種や分野において、苦情処理や手直し、誤った不良判定にかかる人件費や時間が大幅に削減されます。

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