高解像度の 3D データをカメラから直接取得

あらゆる人のための AI

オールインワンソリューションでテクノロジーを使いやすくする

ディープラーニングにより、産業用画像処理を応用する新たな分野が誕生します。こうした分野はこれまで、非常に手間がかかるか、太刀打ちできないものでした。従来の画像処理に対して根本から異なる新しいアプローチを採用することで、ユーザーにとって新しい課題が生じています。そこで、思考を見直す必要がありります。IDS がオールインワンの組み込みビジョンソリューションを提供しているのは、そのためです。各ユーザーが、プログラミング知識がなくても AI ベースの画像処理をわずか数ステップで実装でき、組み込み推論システムとしてカメラで使用できるソリューションです。こうしてディープラーニングが使いやすくなりました。

コンピュータービジョンと画像処理は、さまざまな分野で欠かせないツールになりました。画像処理システムは、増え続ける製品の種類やモデル、果物、野菜、植物などの有機物に使用されることが増えています。 従来のアプローチであるルールベースの画像処理では、分析する画像データの変動頻度が高いとすぐに限界に達してしまい、アルゴリズムを使用して違いを示すことが困難または不可能になります。このような場合、ルールセットに柔軟性がないため、堅牢な自動化は実現できません。人間なら解決が簡単だと思われるタスクの場合も例外ではありません。 たとえば、子供は特別モデルを見たことがなくても、自動車を認識できます。子供が他のモデルの自動車をこれまでにたくさん見ていれば、それで十分です。

機械学習によって、柔軟で自律的な判断を下す能力も画像処理システムに付加できるようになりました。ニューラルネットワークとディープラーニングアルゴリズムを使用して、物体を見て認識し、学習した内容から結論を導き出すよう、コンピューターに教えることができます。人間と同様に、このような「インテリジェントな自動化」で学習し、経験値を利用して判断します。

従来の画像処理との違い

ルールベースの画像処理との主な違いは、画像の特性を何がどのように識別し、学習した知識をどのように表現するかという点です。従来の「記号的アプローチ」では、画像処理スペシャリストが、決定的な画像の特徴を選択し、特定のルールに従って記述します。所定のタスクを解決する方法を詳細に指定するには、多量のソースコードが必要です。ソフトウェアが認識できるのは、ルールで規定される範囲だけだからです。その後は、定義された限度内で実行され、解釈の余地はありません。 つまり、知的な成果を引き出す作業は、実質的には画像エキスパートがすべて担当しているのです。

ニューラルネットワークを操作する手順は、まったく異なります。正しい結論を導くために、画像のどの特徴が重要かを自律的に学習するという強みがあります。これは「非記号的アプローチ」と言うべきもので、知識は暗黙的で、学習したソリューションに対する理解はないからです。 どの特徴を保存し、どのように重み付けし、どの結論を導くかは、トレーニング用画像の数と内容だけに左右されます。ディープラーニングアルゴリズムは画像全体の内容を認識して分析し、発生頻度に応じて、認識した特性を学習した「用語」に関連付けます。統計的頻度により、トレーニング中にいわゆる経験が生じます。Google の人工知能スペシャリスト Cassie Kozyrkov 氏はリスボンで開催された今年の WebSummit 2019 で、機械学習をプログラミングツールであると述べています。多数の指示ではなく、サンプルを通じてマシンに物事を教えることができます。

AI に基づくマシンビジョンアプリケーションの開発には、思考を見直す必要があります。物体検出の速度や信頼性といった結果の品質は、ニューラルネットワークで検出して判定した内容に左右されると理解することが重要です。 この場合、それぞれの専門家の知識が決定的な役割を果たします。学習する用語を含め、できるだけ多くのサンプル画像として、トレーニングに必要なデータセットを提供する必要があります。 従来のアプローチでの作業は画像処理スペシャリストが担当していましたが、機械学習でのデータスペシャリストが引き継ぎます。

オールインワンソリューションで機械学習をすぐに始める

IDS は、ユーザーが最初から正しい手順を踏めるよう、新しいテクノロジーのサポートをします。IDS はディープラーニングの経験とカメラテクノロジーを、オールインワンの推論カメラソリューションに統合しました。これにより、どのユーザーも AI ベースの画像処理をすぐに開始できます。IDS NXT Experience Kit により、IDS は参入障壁を下げ、事前知識がそれほどなくても推論タスクを数分間で作成し、カメラですぐに実行する、使いやすいツールを提供します。

コンセプトは 3 つの重要なコンポーネントに基づいています。

  • ニューラルネットワーク用の使いやすいトレーニングソフトウェア
  • インテリジェントなカメラプラットフォーム
  • ニューラルネットワークをハードウェア側で実行する AI アクセラレーター

すべてのコンポーネントは IDS が直接開発しており、完璧に連携するよう設計されています。このため、ユーザーにとって非常に簡単で、システム全体が強力になります。

クラウドベースのトレーニングソフトウェア IDS lighthouse が、データ準備の手順を段階的に進め、ニューラルネットワークの形で人工知能をトレーニングします。 ユーザーは基本ツールを使うことも、開発環境のインストールに関わることもありません。IDS lighthouse は Web アプリケーションなので、すぐに使用できます。ユーザーには十分な量のストレージ領域が用意され、使いやすいワークフローですべてのプロジェクトを高いパフォーマンスでトレーニングできます。ログインしてトレーニング画像をアップロードし、ラベル付けし、目的のネットをトレーニングします。

構成をわずかに設定するだけで、ユーザーは自分のアプリケーションの速度と精度の要件を、シンプルなダイアログから指定できます。その後、IDS lighthouse はネットワークを選択し、完全に独立して必要なトレーニングパラメーターをセットアップします。トレーニング結果により、トレーニング済みインテリジェンスの品質に対する優れた予測がなされ、トレーニングプロセスをすばやく修正し、反復できます。 システムは継続的に改善され、アップグレードされます。アップデートやメンテナンス段階を計画しなくても、最新バージョンのソフトウェアをいつでも誰もが使用できます。ユーザーは学習方法や人工知能についての知識を蓄える必要なく、アプリケーションの開発に専念できます。

メーカーは IDS lighthouse で教師あり学習を使用して、ニューラルネットワークをトレーニングします。ディープラーニングアルゴリズムは、入力と出力の事前定義済みのペアで学習します。この場合はユーザーが教師となり、画像サンプルに正しいクラスを割り当てて、学習中に正しい特徴の値を入力として提供する必要があります。画像データに関する予測をパーセントの形で行い、ネットワークは、独立して関連付けできるようにトレーニングされます。 値が高いほど、予測の精度と信頼性が高くなります。

ソフトウェアと IDS NXT カメラファミリー rio と rome がシームレスに連携することで、迅速に成果が得られます。完全にトレーニングされたニューラルネットワークをアップロードして、プログラミングすることなく、カメラで直接実行できるからです。このためユーザーは、撮影した画像データから結果を確認、認識、導出する、完全に機能する組み込みビジョンシステムを利用できます。デジタルインターフェースを使用して、マシンも直接制御できます。

ソフトウェアとハードウェアのシームレスな連携
ソフトウェアとハードウェアのシームレスな連携

組み込みビジョンハイブリッドシステム

IDS は独自の IDS NXT カメラプラットフォームに「deep ocean core」という FPGA 向けの AI コアを開発しました。これはハードウェアアクセラレーションを適用したトレーニング済みニューラルネットワークを実行します。これにより、機能完備の産業用カメラが高性能推論カメラになり、人工知能を産業環境で活用させることができます。 画像分析は分散して実行されるので、転送中の帯域幅のボトルネックが回避されます。 IDS NXT プラットフォームをベースとするカメラは、精度と結果の速度の面では先進的なデスクトップ CPU と遜色ありません。また、省スペースと省電力化も進んでいます。 再プログラミング可能な FPGA は、将来のセキュリティ、低い固定コスト、短い市場投入期間という点で、さらなる利点があります。

IDS 独自のソフトウェアとハードウェアは最適な形で調整されているので、ユーザーはトレーニング前に目標の推論時間を選択できます。 IDS lighthouse が、カメラの AI コアパフォーマンスを考慮しながらトレーニング設定を最適化します。その後の推論は予測通りに行われ、時間がかかる再調整や再トレーニングの必要はありません。統合された IDS NXT システムは 100% 互換性があり、ユーザーに対する動作に一貫性があります。特に業界で認定されたアプリケーションにとって、これは大きなメリットです。

強力なハードウェアのおかげで、組み込みビジョンプラットフォームは、ただニューラルネットワークの実行に使用される推論カメラではなく、それ以上の能力を発揮します。CPU と FPGA を組み合わせた機能セットは、ビジョンアプリを使用した次の開発ステップにおけるユーザーのニーズに応じて、ユーザーが拡張できます。その後、反復するビジョンタスクをセットアップして、すばやく変更できます。きわめて柔軟な画像処理シーケンスも実現できます。
撮影した画像はまず前処理されます。その後、たとえばシンプルな高速分類により、良品と不良品が仕分けられます。エラーが発生した場合、さらに複雑化したニューラルネットワークを数ミリ秒で再ロードし、エラークラスを詳細に確認して、結果をデータベースに転送します。アプリ開発キットを使用して、カスタマイズしたソリューションを容易に実装できます。ユーザーは独自のビジョンアプリをほんの数ステップで作成して、IDS NXT カメラにインストールして実行できます。

IDS NXT カメラは、従来の画像処理による画像データの前処理とニューラルネットワークを使用した特徴抽出の両方を実現するハイブリッドシステムとして設計され、画像処理アプリケーションを 1 台のデバイスで効率的に実行します。

まとめ

IDS NXT Experience Kit により、ディープラーニングが誰にとっても有効で使いやすくなります。IDS では、相互に最適に連携するハードウェアとソフトウェアの組み合わせを提供しています。多数の (新しい) 適用分野でのインテリジェントな検出タスクと自動化が、シンプルになるか、初回から可能になります。 プログラミング知識がなくても、AI ベースの画像処理ソリューションをわずか数ステップで作成し、実行できます。 IDS lighthouse トレーニングソフトウェアを使用して、メーカーは意識的にクラウドに移行し、ストレージ領域を拡張し、ユーザー要件に合わせてトレーニングパフォーマンスを向上できます。さらに、アップデートやメンテナンスの段階をスケジュールしなくても、継続的な改善を利用できます。これにより、最新バージョンのソフトウェアをいつでも誰もが使用できます。 AI ベースの画像処理を始める最初の捨て婦として。メーカーは必要なコンポーネントを完備した推論スターターパッケージも提供しています。電源とレンズ付きのカメラに、IDS lighthouse のトレーニングライセンス。始めるために必要なすべてが揃っています。

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