IDS NXT により、IDS はそのためにハードウェアとソフトウェアのコンポーネントの AI ビジョンエコシステムを設計し、機械学習とともに完全なアプリケーションワークフローに直感的に対応付けます。ソリューションを実装することで、時間とコストを節約できます。

クラウドでの AI ビジョン

AI Vision Studio IDS lighthouse では、AI への最初のステップを踏み出して、固有のアプリケーション向けに手法が適切かどうかテストし、複雑なタスクを解決するために IDS NXT カメラ向けのビジョンアプリを作成できます。これにはトレーニングや開発環境のセットアップは不要です。個々の AI ビジョンシステムの実装や運用開始など、簡単に使い始められるようになります。この目的で、プログラミング作業のすべては、AI ビジョン開発のすべてのステップをカバーするわかりやすいインターフェースとツールの裏側に隠されます。

豊富なサポート、すばやくラベル付け

プロジェクトの開始時点から、ある種のインタビューモードを備えたアプリケーションウィザードが、具体的なタスクの特定、必要な AI 手法の選択、適切なビジョンアプリプロジェクトの準備を支援します。より個別化したアプローチを希望するユーザーは、ブロックベースエディターを使用して個々のプロセスシーケンスを既製の機能ブロックからドラッグアンドドロップして作成できます。プラットフォーム固有のプログラミングやプログラミング言語の特殊構文を扱う必要はありません。このため、アプリケーションをより自由に記述でき、同時にプロセスが理解しやすくなります。

図 1 ブロックベースエディターを使うと、特定のテキストベースのプログラミング言語の構文を知らなくても、AI 処理の個々のアプリケーションをビジョンアプリに対応付けることができます。
図 1 ブロックベースエディターを使うと、特定のテキストベースのプログラミング言語の構文を知らなくても、AI 処理の個々のアプリケーションをビジョンアプリに対応付けることができます。

データマネージャーが付属

今後、トレーニングデータの準備に、AI Vision Studio から提供するサポートが増加します。自動ラベル付けシステムは、インポートされた画像データと ROI を持つ特定のコンテンツを、適切なラベルを持つデータセットにより迅速に整理できます。これは、再トレーニングを通じてネットワークを継続的に改善するため、画像コンテンツを持つデータセットの拡大に役立ちます。

少ないデータで信頼性を高める

ターゲットとするすべてのクラスに対してバランスの取れた量の十分なデータを提供することは、時間がかかりがちです。特にエラーケースはあらゆる形態で発生しうるので、良品と不良品のバランスが失われることがよくあります。このため、準備に必要なトレーニングデータが少ないソリューションを提供することが重要です。分類や物体検出に加えて、ユーザーは異常検出にも活用でき、良品部品の標準偏差を超えるすべての既知のエラーケースと未知のエラーケースを特定します。これには、他の AI 手法よりも比較的少ないトレーニングデータで済みます。言い換えれば、長時間かけてどの物体が「通常」であるかを学習した人間が気づくものなら、AI システムでも異常検出機能で特定できるということです。異常検出機能もまた品質管理をサポートする便利なツールとして、手作業で実施していた目視検査を削減し、生産プロセスの早期段階でエラーを検出して回避します。

図 2 異常検出で、トレーニングされた「通常」の物体外観から逸脱している、既知と未知 (未トレーニング) のずれを特定します。
図 2 異常検出で、トレーニングされた「通常」の物体外観から逸脱している、既知と未知 (未トレーニング) のずれを特定します。

説明可能な AI

特に理解を深めるために、AI で注目するヒートマップ視覚化が AI Vision Studio に直接提供されています。このために、特殊なネットワークモデルがトレーニングに仕様され、テストデータセットの評価時に一種のヒートマップが生成されます。ニューラルネットワークが最も注目する画像領域をハイライトし、結果とパフォーマンスに影響を与えます。正しくないか表現が不十分なトレーニング画像も、AI に不要な特徴を学習させてしまいます。誤ってトレーニングされた製品ラベルも、正しくない結果につながります。このような「誤った」トレーニングの原因をデータバイアスと言います。

このアテンションマップは、AI ベースの意思決定関する懸念を低減し、産業環境への受け入れを広げるために役立ちます。

図 3 「アテンションマップ」で、特定の画像コンテンツに対するニューラルネットワークのフォーカスを視覚化します。トレーニング画像の製品ラベルでトリガーされたデータバイアスも含まれます。
図 3 「アテンションマップ」で、特定の画像コンテンツに対するニューラルネットワークのフォーカスを視覚化します。トレーニング画像の製品ラベルでトリガーされたデータバイアスも含まれます。

まとめ

IDS は、簡単な操作と時間の効率に特に重視して AI システムの開発を続けています。これにより、SME を含め、全社的に AI をよりすばやく使用できるようになります。ハードウェア面では、IDS NXT カメラファミリーも、さらに強力なハードウェアプラットフォームで強化されています。ニューラルネットワークの実行速度を向上させ、AI ビジョンをクロックレートの高い用途でも利用できます。しかし、AI ビジョンの拡大における一番の立役者は、すでに AI ビジョンプロジェクトを実装して成功を収めて、他社にその事例を伝えられる企業です。