両方のタイプの長所を兼備

ラインスキャンカメラのコスト効果の高い代替品となるラインモード

ラインスキャンカメラのコスト効果の高い代替品となるラインモード
ラインモードは、曲面分析やエンドレスウェブ検査など、産業用マシンビジョンの多くの用途になくてはならない存在です。被写体のサイズや形状によって 1 回の露光で全体を撮影できない場合、「スキャン」しなければなりません。カメラはラインごとに情報を取得して、遠近感の歪みや不均質な光源がない被写体の全体像をメモリ内に作り上げます。ラインモードを使用するときは動きが必要です。検査対象の物質がコンベアベルト上などで移動するか、カメラ自体が移動します。後者の場合はクロックが必要です。
 
「エンドレスウェブ検査の他に、一般検査、高速で移動する物体の測定および仕分け作業は、従来のラインスキャンカメラの代表的な適用分野です。その他にも、木材やワインコルクのような丸みをおびた物体の検査も該当します」と、IDS Imaging Development Systems GmbH のプロダクトマネージャー、Patrick Schick は説明します。ラインスキャンカメラは、画像センサーの 1 列の感光ラインを使用して、このように物体をスキャンするカメラシステムです。それに対して、エリアスキャンカメラ (マトリックススキャンカメラとも言います) のセンサーは、複数のラインが平行に並んだ 2 次元マトリックス構成で、物体全体を 1 回の露光で撮影します。対象とする用途のタイプによって、この 2 種類のカメラバリエーションのどちらを使うかが決まります。
 
特別なラインスキャンカメラは、エリアスキャンカメラを簡略化したバージョンではありません。通常、1 列の感光ラインの解像度ははるかに高いからです。その結果、各ラインの分析データの品質は非常に高いものになります。ラインあたりのデータ量の増加に加えて、ライン速度も非常に高く、並列データチャネルによってラインの複数のポイントが同時に読み取られます。このデータ量は通常、カメラリンクインターフェースを使用してホスト PC にのみ送信できます。そのため、織物、紙、車輪リム、シリコンウェーハのエンドレスウェブ検査などの、データ量と速度の面で要件が厳しいラインスキャン用途では、ほぼすべての場合でこのような最適化されたラインスキャンの使用が必要です。
 
しかし用途によっては、必要でないこともあります。IDS ソフトウェアのラインモードは、エリアスキャンカメラをラインスキャンカメラに転換し、多数のラインスキャンカメラ向けの従来の用途に、シンプルでコスト効果の高いソリューションを提供します。「エリアスキャンカメラを使用するお客様は、ラインモードによる利点に気付いていないことがよくあります」と Schick は言います。「私たちはこのオプションが両方の世界の長所を兼ね備えていることを紹介しています。ラインモードで得られた情報から期待される 2D 画像を提供して、お客様をサポートしています。お客様は好みの設定をして、弊社のソフトウェアが歪みのない画像を提供します」これで画像データをエリアスキャンカメラ同様に使いやすくなります。
 
IDS Software Suite があれば、CMOSIS、e2v、または Sony 製センサーを搭載した特定の GigE および USB 3.0 カメラモデル向けの「垂直 AOI マージモード」機能を使用して、ユーザーはラインモードをアクティブにできます。つまり、エリアスキャンカメラをラインスキャンカメラとして利用できるのです。ラインスキャンカメラの動作をできる限り正確にエミュレートするため、画像撮影向けの標準トリガーの他に、個別の各ラインをトリガーするオプションを提供しています。これによって、たとえばコンベアベルトの速度の変動をオフセットできます。
 
ソフトウェアには当然、実行するための適切なハードウェアが必要です。ラインモードの性能を完全に発揮させるには、IDS では UI-3370CP 産業用カメラモデルをお勧めします。感度が高く、CMOSIS 製の高速 4.2 メガピクセル CMOS センサーを搭載しています。つまり、高価なラインスキャンカメラを使わなくても、より手頃な価格で高機能のエリアスキャンカメラを活用して、さまざまな分野の用途に対応できます。USB 3.0 インターフェースと組み合わせると、センサーはフル解像度で 80 fps を発揮します。ラインモードで運用すると、UI-3370CP 産業用カメラは 9.4 kHz で画像を撮影します。
 
エリアスキャンカメラには、アプリケーション設定時の利点もあります。ラインスキャンカメラの正確な調整は 2D 画像がないために簡単とは言えませんが、エリアスキャンカメラの視野の調整は、非常に簡単です。IDS が開発したユーザーインターフェースを使用すると、ラインモードは数回クリックするだけで設定できます。ヒストグラムで、輝度の分布が一様なラインを定義して、ラインモードに切り替えられます。その後、すべてのパラメータをカメラの設定ファイルに保存できます。これによって、不要なプログラミングを省き、どの用途でも再現可能な結果を実現します。用途に応じて、高価なラインスキャンカメラを使用するか、シンプルで手頃な価格の IDS ソリューションを使用するか、ユーザー自身で判断できます。

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