環境とスマート農業
画像とデータでアグリフード分野を変革する方法
プロセスを容易に管理して効率的に設計する。この要件は、農業および食品業界にとっても重要な役目を果たします。消費者からの需要の増加、持続性および供給の安全性に関する規制の強化、効率的な生産の必要性などの要素は、直接的に競合します。そこで、これらの分野でもコネクテッドデバイスやオートメーションの普及が進んでいます。ここで重要になるのがカメラです。最適な施肥量、製品および成長段階の視覚的監視、食品加工などに対応します。
鍵となるテクノロジーは人工知能です。さまざまな形状と色を持つ有機製品は、通常の産業用カメラの動作を規定する、標準化されたアルゴリズムの枠では記述が困難です。野菜や果物など、多様な特性を持つ物体を確実に認識するアプリケーションを実現するなら、人工知能を搭載した画像処理を無視することはできません。情報を収集および分析するインテリジェントシステムは、条件の検出、意思決定、フォローアッププロセスの開始についても、やはり重要なツールです。ここでは実現できるアプリケーションと可能性について紹介します。
ナッツパッケージの中身の確認と検査
包装後の品質管理でナッツの比率を検査するには、IDS NXT カメラで人間による評価プロセスを置き換えられます。事前トレーニング済みのニューラルネットワークを使用して、画像処理はカメラ上で直接実行され、数量と比率が自動的に確認されます。さらに、ナッツが破損しているか、通常よりも大型か小型かなど、その他の視覚的チェックも実行できます。
持続可能な農業を保証
水産業では、養殖場で魚が最適な養殖条件に維持されないために平均40%の収益が失われています。インテリジェントカメラシステムを物理化学的センサーと組み合わせて、動物の健康状態を監視し、水質を改善し、正しい給餌管理を行います。
植物の状態と収穫段階の検出
インテリジェントカメラで成長段階や野菜の高さを認識します。この情報は、野菜の種別の確認、最適な収穫時期の決定、刈刃の位置の精密な調整などに使用できます。人工知能を利用して、破損した位置を特定し、影響された製品を仕分けてその後加工されないようにすることもできます。
野外栽培での雑草の識別
トラクターのアウトトリガーに取り付けたカメラを使用して、土壌を検査し、栽植通路に雑草があるか確認します。雑草が検出されると、トラクターは土壌に化学肥料を散布して雑草を除去し、作物の生長が妨げられないようにします。人工知能が雑草を高速かつ確実に識別します。
カメラでキャップの検査をサポート
数十種類のカラーと色調を備えたプラスチック製キャップのひび割れや破損を、高速で運転される生産ライン上で検出する作業は、品質管理における重要な課題です。アプリケーションレポート「キャップを閉める」では、画像処理、IDS の産業用カメラ、人工知能により、この問題を首尾良く解決する方法を紹介しています。
シーフードによる健康リスクを最小化
加工が不適切なシーフードの摂取には、人体に有害な寄生虫の危険性があります。EU では、生魚の事前処理に非常に厳格なルールが定められています。その多くは、水産製品内のアニサキスの存在の確認を目的としています。記事「隠れている侵入者を見逃さない」では、家畜や食品業界のラボ向けの監視システムにおけるカメラ技術の役割を詳しく説明しています。
レタスの収穫を自動化するロボットソリューション
プロジェクトでは、既存のリーキ収穫機械を改造して、レタスを地面から持ち上げてピンチベルトで挟みます。レタスの外側にある「ラッパー」となる外葉は、自動的に取り去られ、茎がむき出しになります。マシンビジョンと人工知能を使用して、茎を切断する場所を正確に判定し、レタスの本体をきれいに切り分けます。
uEye+ 産業用カメラ搭載のインテリジェントロボットで除草剤を不要に
2019 年、Swiss Federal Institute of Technology (ETH) Zurich の学生が、除草剤を過剰に使用することなく、よりサステナブルな農業を実現するロボットを開発するため、Rowesys プロジェクトを立ち上げました。このロボットの基盤にあるのが uEye+ 産業用カメラで、IDS Imaging Development Systems GmbH の GigE Vision インターフェースを搭載しています。
お客様の用途にカメラを活用
これは現在画像処理が実現する多数の可能性のほんの一例です。弊社の汎用 2D uEye 産業用カメラは無限ともいえるバリエーションを誇り、多様な用途に統合できます。IDS NXT には、コンパクトなスマート組み込みビジョンカメラもあり、それ自身で人工知能を実行できます。オールインワンの AI ソリューション IDS NXT ocean を利用すると、ディープラーニング、画像処理、プログラミングの専門知識がなくても、インテリジェントカメラを用途向けにセットアップして使用できます。Ensenso カメラファミリーは柔軟で強力な 3D カメラで、ロボットのビジョン機能を補助し、提供される 3D 画像情報は多数のオートメーション作業にとって不可欠になります。ご連絡いただければ、弊社チームがご希望の用途をサポートいたします。