堅牢な産業用カメラを用いた、農場内での加工工程における外観品質管理向けAIベースのジャガイモ選別システム

体系的なアプローチによるスマート農業:家族経営農家でも導入しやすい、画像処理によるコスト効率の高い自動化

AIによるジャガイモ選別

品質要求の高度化、コスト圧力の増大、人手不足は、農業経営における大きな課題となっています。特に直販や家族経営の農家にとっては、コスト効率を維持しながら、安定した品質保証を実現することが不可欠です。そのため、小規模経営でも導入できる、工程自動化とコスト効率を両立するスマート農業ソリューションの重要性が高まっています。

Karevoは、IDS Imaging Development Systemsの産業用カメラを組み込んだKarevo DUO85により、こうしたニーズに的確に応えています。本システムは、ジャガイモおよびタマネギの選別を高い信頼性で自動化するため、小規模農家にとってもAI画像処理が費用対効果の高いソリューションとなります。

課題:品質確保とコスト削減の両立

ジャガイモやタマネギを手作業で選別するのは、時間と労力を要します。生育割れ、針金虫被害、乾腐・湿腐、変形、機械的損傷、緑化など、多様な欠陥を確実に見分けるには、大きな負担が伴います。

Karevo共同創業者兼CEOのBenedikt Keßler(ベネディクト・ケスラー)氏は、次のように述べています。「Karevo DUO85は、直販農家や家族経営の事業者でも光学選別技術を利用しやすくすることを目的に開発されました。これにより、小規模事業者でもデジタル化を進め、業務プロセスを効率的に自動化できます。本システムは一貫して高い製品品質を確保するとともに、選別作業におけるスタッフの負担を軽減します。」

Karevo DUO85 ― スマート農業用途向けAIベースのジャガイモ選別システム
Karevo DUO85 ― ジャガイモの等級選別と品質管理を自動化するAI駆動の選別システム

ソリューション:ジャガイモ・タマネギ向けAIビジョン技術

Karevo DUO85は選別プロセスを完全に自動化します。システム構成に応じて、IDS uEye FAシリーズのGigE Visionカメラを2~8台使用します。各作物をあらゆる角度から撮像し、表面を360度全方位から可視化します。1個のジャガイモあたり15枚以上の画像を取得し、高性能コンピュータでリアルタイム解析を行います。

重要な特徴を色分け表示した、AIによる表面解析の比較例
左:元画像、右:異常箇所をマーキングしたAIベースの表面解析画像

画像データは専用開発されたソフトウェアに送信され、AIがサイズ、欠陥の種類や深刻度、形状、その他の品質パラメータを評価します。AIは代表的な7種類の品質欠陥をピクセルレベルで最大95%の精度で検出し、その強度や大きさも同時に評価します。DUO85はジャガイモに加え、黄タマネギおよび赤タマネギの選別にも対応し、異物検出も確実に行います。ジャガイモ・タマネギのいずれも、石や土塊などの異物を確実に取り除きます。

使用されているAIモデルは、実環境での安定稼働を前提に設計されており、泥汚れの多い作物や特定品種などの場合には、追加の画像データを用いて最適化することも可能です。

この解析結果に基づき、システムは空圧式フィンガーシステムを制御します。圧縮空気で駆動する分岐・選別システムで、指状アクチュエータを個別に制御し、画像処理と同期させながら、コンベア上の製品を的確かつ優しく仕分けます。これにより、損傷のあるものや規格外品を確実に分離できます。

結果として、安定した選別品質、人員削減、そして最大毎時5トンの安定した連続処理能力を実現し、事業規模を問わず明確な経済的優位性をもたらします。

経済的メリット:無理のない初期投資で導入可能

DUO85の開発における重要な目標の一つは、導入ハードルを低くすることでした。本システムは、これまでAI画像処理やビジョン技術を利用する機会がほとんどなかった、直販農家や家族経営事業者を主な対象として設計されています。「DUO85によって、小規模事業者でもデジタル化を始められるようになります」とKeßler氏は語ります。「高額な投資を必要とせず、安定した高品質、作業負担の大幅軽減、そして効率的なプロセスというメリットをお客様は得られます。」

収益性は、各事業者の運営体制によって異なります。Karevoでは通常、1~2名(臨時スタッフ含む)の人員削減が可能と見積もっており、多くの場合、2~3年程度で投資回収が可能です。

価格設定は中小規模事業者向けに最適化されており、ROIの最大化と収益確保を支援します。さらに、本システムはモジュール構成で拡張可能であり、事業規模に応じた柔軟な対応が可能な点も、長期的な投資価値を支える重要な要素です。

Karevo選別システム:ジャガイモとタマネギの農場内加工向け光学選別技術
Karevoの光学選別技術は、直販および家族経営農家の農場内加工向けに開発されました。

IDSのカメラ技術:堅牢・高性能・容易な統合

Karevoは、Pregius Sシリーズの5.10MP Sony IMX547センサーを搭載した、IDS uEye FAシリーズのGigE Visionカメラを採用しています。グローバルシャッターおよびBSI(裏面照射)技術により、選別・加工エリアの厳しい照明環境下でも優れた画質を実現します。IP69K保護、ネジ固定式コネクター、広い動作温度範囲を備えた堅牢設計により、過酷な農業環境にも最適です。カメラ内前処理機能などにより、必要な演算負荷も低減されます。

IDSで2Dマシンビジョンのプロダクトマネージャーを務めるJürgen Hejna(ユルゲン・ヘイナ)は、次のように述べています。「DUO85のような用途では、画質に加えて、信頼性、堅牢性、そして統合のしやすさが重要な要素となります。uEye FAカメラは、まさにこれらの要件を満たし、統合やメンテナンスの負担を最小限に抑えながら、信頼性の高いマルチカメラ運用を可能にします。」

IDS peakによる迅速な統合と将来対応力

もう一つの経済的メリットは、IDS peak SDKの採用です。「IDS peakを使うことで、カメラを迅速かつ確実にシステムへ統合できます。最適化された制御、パラメータ設定、診断機能により、農業用途においても高画質と高い信頼性を確保できます。また、長期的な互換性が確保され、将来のシステム拡張における開発コスト削減にもつながります。」と Benedikt Keßler氏は説明しています。

ユーザーフレンドリーなインターフェースにより、複雑なAI技術も簡単に利用できます。パラメータは直感的に調整でき、選別プロファイルの切り替えや詳細レポートの取得もワンタッチで可能です。DUO85は既存の選別ラインにシームレスに統合でき、要件に応じたスタンドアロンの光学選別システムとしても動作します。

「最適化された制御、パラメータ設定、診断機能により、農業用途においても高画質と信頼性の高いパフォーマンスを確保できます。」

— Karevo GmbH 共同創業者兼代表取締役、Benedikt Keßler —

今後の展望:未来の農業を支えるビジョン技術

現在は、ジャガイモの品質評価の自動化に注力しています。これはさらなる応用展開に向けた幅広い可能性を示しており、Karevoはこの潜在力を今後活かしていく意向です。「農業分野におけるコンピュータビジョンの重要性はますます高まっています。厳しい屋外環境での使用を想定した、堅牢で信頼性の高いカメラシステムを採用することが不可欠です。」とKeßler氏は述べています。

Karevo GmbH

Karevo ロゴ

Karevoは、食用ジャガイモ、種イモ、タマネギの品質管理向けにAIを活用した選別システムを開発しています。これらの装置は欠陥や異物を確実に検出し、手作業による選別の負担を軽減します。Karevoはミュンヘン工科大学(TUM)発のスピンオフ企業で、2024年にBenedikt Keßler、Felix Beck(フェリックス・ベック)、Johannes von Wittke(ヨハネス・フォン・ヴィトケ)の3名によって設立されました。

uEye FA

使用モデル:GV-51F0FA Rev.1.2