カメラシステムで、海産物を摂取したときの健康上のリスクを最小化

隠れている侵入者を見逃さない

カメラシステムで、海産物を摂取したときの健康上のリスクを最小化

欧州連合では、毎年 600 万トンを超える魚が処理されています。消費者への健康リスクを最小化するため、厳格な法的統制が適用されています。海水魚には、処理が不適切な商品を摂取した場合、人間にとって危険な寄生虫が含まれていることがあります。感染リスクは、アニサキスなど、寄生虫の活性度に左右されます。シュトゥットガルトを拠点とする technet GmbH は、IDS の USB 3 uEye CP 産業用カメラを使用するシステムを開発しました。これは寄生虫の輪郭と表面を撮影し、これらのデータから個々の幼虫の曲率エネルギーを算定するものです。曲率エネルギーを使用して、代謝や活性度への関連を決定します。

用途

調理が不十分な海水魚を摂取したために、毎年数千名が線虫類アニサキスやシュードテラノーバに感染し、アレルギー反応など、さまざまな臨床的アウトカムを引き起こしています。このため EU では、未加工食品の事前処理 (中心部を -20° C で 24 時間以上冷凍するなど) や海産物の検査に厳格な規制が適用されています。主な目的は、魚加工製品のアニサキスの活性度を検証することです。

背景

寄生虫は複雑なライフサイクルをたどり、食物を中間宿主として魚に摂取されます。漁業活動により海産物に入り込み、人体に移動します。食品管理の過程で、魚介類の組織からサンプルが採取され、ラボで線虫の幼虫がいないか分析されます。中でも、活性度は人間の健康上のリスクを示すバロメーターになります。

微生物学では、活性度は繁殖率 (バクテリア数) で判定されます。しかし、この標準的な手順は線虫の幼虫には使用できません。そこで、海産物の分野では組織サンプルを人工的に消化して、含まれる幼虫を損なわずに溶解します。  その後の検査で、運動の状態を視覚的に評価し、「生存」または「死滅」の状態を割り当てて、活性度をおおまかに分類します。しかし、運動の状態は線虫の幼虫の伝染性の指標としては確実ではありません。一時的に運動しない状態に陥ることがあるからです。

組織サンプルから得たさまざまな活性度の線虫の幼虫 (アニサキス) (透過光 (NIR)/シャーレ)
組織サンプルから得たさまざまな活性度の線虫の幼虫 (アニサキス) (透過光 (NIR)/シャーレ)

画像処理に基づく検査の信頼性

technet GmbH の活性度検査デバイス (VTD: Viability Test Device) は、このような不確実性に対処する測定システムです。自動化された光学検査を自律的に実施します。システムは IDS Imaging Development Systems GmbH の USB 3.0 カメラをベースにしています。シャーレの上に設置されています。近赤外線スペクトル (NIR) の狭い波長領域で、透過光と赤外線放射温度計を使用してサンプルから一連の画像を生成しました。カメラ、温度、照明、位置、時間のデータが各フレームに書き込まれます。この総合的な生データ検査プロトコルにより、検査結果の高レベルのトレーサビリティが確保されます。

カメラを使用した透過光パターンの生成と、 幼虫の活性度状態の計算
カメラを使用した透過光パターンの生成と、 幼虫の活性度状態の計算

VTD のカメラが毎秒 2 フレームで画像を連続撮影し、ここから静的および動的なフォームを導きます。これらは今後の処理を決定するパラメーターの役割をします。連続した画像で、個々の幼虫が特定され、2D の輪郭が判別され、円形断面を (現実的な) 前提として、海洋寄生虫の幾何学データが 3D 膜モデルにマッピングされます。このモデルで、生物学的な詳細を考慮しながら、幼虫の物理的な特性、特に曲率エネルギーが計算されます。画像を撮影することで、検査対象の運動や視覚的評価によらず、活性度を再現可能な方法で確実に決定できます。

UI-3370CP-NIR-GL Rev.2 産業用カメラが VTD に使用されています。ams/CMOSIS の高感度で高速の 4 メガピクセル CMV4000 CMOS センサーが搭載されています。センサーの解像度は 2048 x 2048 ピクセルです。

革新的なピクセルアーキテクチャを採用し、固定パターンノイズとヒスは大幅に削減されています。 パイプライン処理機能により、センサーデータの読み出し中に露出でき、読み出しを高速化してモーションブラーを効果的に抑制します。 1 インチという特大光学フォーマットのセンサーで、大型ピクセル、超低ノイズ、光に対する高感度を実現します。「UI-3370CP の正方形のカメラチップは、円形シャーシから、高密度の情報を持つ画像を提供し、未使用画像領域による情報損失を最小限に抑えます。必要なすべてのデータがすばやく手に入り、しかも高品質です。これは私たちの検査システムにとって理想的です」と、technet の物理学者であり、膜技術の生物学応用のエキスパートである Michael Kroeger 氏は言います。

今後の予定

海産物市場のグローバル化と、それに伴う統制およびセキュリティメカニズムの厳格化により、自動化された検査システムは不可欠になっています。technet の活性度検査デバイスは、家畜や食品ラボのための高速で客観的な監視システムです。 人的要因の排除と自動ログインは、ラボでの日常業務にとってメリットになることは明らかです。ここに挙げた具体的な例では、未加工の魚のサンプルのスループットを大幅に向上できます。画像処理を利用して、システムは海洋寄生虫の危険レベルを確実に特定します。小さな寄生虫が身を隠して感染の危険性を残すことが、いっそう難しくなります。その一方で、消費者に安全性の高い食品を、海産物のうまみを損なわずに提供できます。安心して召し上がってください。

USB 3 uEye CP – 驚くほど高速、これまでにない高信頼性、卓越したセンサー

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