フォークリフトとトラックが行き交う現場で稼働する uEye XC カメラ。

AIを活用した積載記録により物流プロセスの効率を向上

すべての積載作業を記録

概要

  • 業界:物流
  • カメラ:uEye XC オートフォーカス
  • タスク:通常運用を継続しながら、積載プロセス全体を自動的かつシームレスに記録すること
  • 課題:物流の流れを妨げることなく、最小限の運用負荷で全ての貨物移動を正確に記録すること
  • ソリューション:フォークリフト搭載カメラシステムと、関連データを抽出・識別・構造化して保存するAI画像解析技術を組み合わせたソリューション
  • 導入効果:ドライバーの作業時間を削減するとともに、すべての積載作業を透明性・一貫性・追跡可能性のある形で記録

物流現場では、一秒一秒が重要です。同時に、物流の流れを停滞させることなく、貨物の移動を正確かつ追跡可能な形で記録しなければなりません。この課題を解決するため、ミュンヘンに本拠を置くITサービスプロバイダーのCANCOMは、ドライバーの負担を大幅に軽減しながら積載プロセス全体を自動記録するカメラベースのシステムを開発しました。必要な画像は、IDS Imaging Development Systems GmbHのコンパクトなuEye XCオートフォーカスカメラによって取得されます。取得した画像データは、DENKweitのAI画像処理技術によって高度に解析されます。

実運用下での積載作業の自動記録

このシステムの中心となるのは、キャビンにカメラを搭載したフォークリフトです。車両の走行中、カメラは前方エリアを継続的に撮影します。プロセスは納品書の記録から始まり、積載作業のすべての工程を記録します。これには車両の移動操作、各パレットの積み上げ・荷下ろし作業、さらにフォークリフト停止後の積荷固定作業までが含まれます。ドライバーにとっては、これにより大幅な業務負担の軽減が実現します。従来、手作業での記録のために必要だった作業中断が完全になくなります。同時に、システムは一貫性があり追跡可能な画像データを生成し、プロセス全体の透明性を確保します。

リアルタイムでインテリジェントな画像解析

本ソリューションの重要な要素は、取得した画像データのインテリジェントな評価です。カメラは標準化されたUSB Video Class(UVC)インターフェースを介して、追加ドライバーを必要とすることなく車載端末へ直接画像を送信します。その後、データはローカルAIサーバーへ送られ、リアルタイムで解析されます。まず、AIによる画像分類によって各フレームの内容と関連性が評価されます。この段階で取得画像の99%以上が除外され、本当に重要な情報だけが後続処理に進められます。残ったデータについては、DENKweitのDENKnetシステムの専用モデルが使用されます。物体認識と光学文字認識(OCR)を組み合わせることで、納品書やパレット構造を識別します。運行便番号が読み取られ、画像を紐付けるための基準情報として利用されます。これにより、関連するすべての画像を特定の運行便に紐付け、構造化された形で一元管理できます。さらに、画像内のパレット数やそのサイズも判定できます。

積載プロセス中のさまざまな場面を示したコラージュ。
積載作業は漏れなく自動的に記録されます。

「uEye XCオートフォーカスカメラは、照明条件が変化する環境でも常に鮮明で実用的な画像を提供します。」

— CANCOM AIoTチームリーダー、Thomas Fuchs氏 —

距離変化に対応する高画質撮影

本ソリューションの柔軟性は、動的な画像取得能力に特によく表れています。uEye XCオートフォーカスカメラは、異なる撮影距離に応じて自動的にピントを調整します。「納品書を撮影する際には、焦点距離は約35cmに設定されます。一方で積載作業の記録時には、撮影対象までの距離は2〜3mになります」と、CANCOMのAIoTチームリーダーであるThomas Fuchs(トーマス・フックス)氏は説明します。「これにより、照明条件が変化する場合でも、あらゆる状況で鮮明かつ実用的な画像を取得できます。」

使用されているカメラは13メガピクセルのセンサーを搭載しており、自動ホワイトバランス、色補正、さらに明るさ・コントラスト・シャープネスを個別に調整できる機能を備えています。UVCインターフェースにより、追加ドライバーなしで一般的なウェブカメラと同様に利用できます。また、車載端末上のWindows IoTと組み合わせることで、システム統合が大幅に容易になります。デバイスは自動認識され、デバイス管理システムを通じて一元管理できます。

フォークリフト前部の支柱上に取り付けられたuEye XC。
フォークリフトに搭載されたuEye XC

エッジからデータセンターまで拡張可能なAIインフラ

本アプリケーションの大きな強みは、カメラとAIの連携にあります。CANCOMが実装したソリューションでは、DENKweitのコンテナ化されたAIモデルを採用しています。これらのモデルは、エッジ環境からデータセンターまで柔軟に拡張でき、必要に応じてGPUアクセラレーションを利用しながらKubernetes環境で運用できます。初期モデルは比較的少数の学習画像を用いて構築できます。ただし、データの品質と多様性が向上するほど、モデル性能も大幅に向上します。

従来のマシンビジョンシステムと比較して、このアプローチは開発工数を大幅に削減します。複雑なルールベースの画像処理パイプラインを、より迅速に導入でき、要件の変化にも柔軟に対応できる学習ベースの手法へ置き換えることができます。さらに、コンピューティング性能の急速な進歩の恩恵を受けられるため、多くの用途では統合GPUソリューションだけでも十分な性能を発揮します。

「AI画像処理は、カメラベースのソリューションの適用範囲を大幅に広げ、その活用を経済的に実現可能にします。」

— CANCOM AIoTチームリーダー、Thomas Fuchs氏 —

今後の展望

Fuchs氏は 、「AI画像処理は、カメラベースのソリューションの適用範囲を大幅に広げ、その活用を経済的に実現可能にします」と述べています。かつては数十万ユーロ規模の投資と数か月の開発期間を必要としていたものが、現在では数週間かつ大幅に低いコストで実現可能になっています。そのためCANCOMは、今後さらに多くのプロジェクトでこの技術を活用する計画です。物流用途に加え、他業界への展開も期待されています。つまりこの技術は、業務プロセスの効率化、透明化、そして追跡可能性の向上が求められるあらゆる現場に適しています。

CANCOM SE

CANCOM ロゴ

CANCOMは、デジタルビジネス分野のリーディングプロバイダー兼AI推進企業として、企業・各種団体・公共機関のデジタル変革を支援しています。同社のポートフォリオは、従来型のITインフラやワークプレイスソリューションに加え、データ活用型デジタルソリューション、マネージドサービス、クラウドサービスまで幅広く網羅しています。CANCOMは情熱と技術力をもってお客様のデジタル進化を支援し、IT環境の複雑性を低減するとともに、新たなビジネスモデルの創出を後押ししています。CANCOMは、あらゆるITおよびビジネス要件に対応する包括的なソリューションを提供しています。

uEye XC

使用モデル:UV-36L0XC

DENKnet ロゴ

AIによる画像解析

DENKweitは、産業用画像処理向けのAI技術を開発しています。独自のAIアーキテクチャであるDENKnetにより、複雑な画像検査業務も短期間で自動化し、実運用へ展開することができます。

IDS, Sabine Terrasi
Sabine Terrasi
Communications Specialist – Corporate & Product

彼女は10年以上にわたり、企業概要、パンフレット、事例紹介の制作に携わり、企業関連トピックや技術的な製品コミュニケーションを支援してきました。戦略的B2Bコミュニケーションの経験を活かし、明確なメッセージと確かな根拠に基づくコンテンツを提供します。

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