硬性内視鏡の自動外観検査

硬性内視鏡は医療診断および治療に使用され、体腔や中空臓器の検査や、最小侵襲的手技に使用されます。患者や医療スタッフへのリスクを回避するため、器具が間違いなく機能することが重要です。信頼できる品質検査では、特に感染や負傷に加えて、誤診のリスクの除外を目的としています。多くの国では、病院は法によって定期検査が義務付けられ、内視鏡が適切に機能し、健康に有害な細菌が付着していないように点検する必要があります。さらにヨーロッパには、硬性内視鏡の品質保証を規定する、ガイドラインと基準があります。これらの検査は特殊な訓練を受けたスタッフが実施し、内視鏡テストを殺菌テスト、さまざまな外観検査が含まれています。

オランダの企業 Dovideq Medical Systems B.V. は最小侵襲手術向けの測定機器を専門としています。現行の製品シリーズは、病院の中央殺菌部門、内視鏡メーカー、内視鏡修理企業を対象としています。硬性内視鏡の検査向けに、Dovideq Medical Systems ネットワークで連携されたさまざまな自動化システムを開発しました。中でも LightControl は、携帯できて小型で軽量、コスト効果に優れ、高速な自動内視鏡テスターです。6 種類のテストおよび測定パラメーターを使用して、内視鏡の状態の詳細データを記録し、評価します。これにより、欠陥のない内視鏡だけが手術室に送られます。

LightControl システムは、IDS の LE カメラファミリーのカメラを利用して、高レベルの効率性と信頼性を保証します。何よりも安全、患者のウェルビーイング、そして最終的には病院の収益にとってメリットになります。

COVID 19 の感染拡大により、内視鏡およびその他の医療器具の消毒および殺菌の重要性が優先されるようになり、自動化された検査手順が必要であるという認識が高まりました。適切なクリーニングや殺菌がなされていない内視鏡は、感染拡大の原因となり、欠陥のある内視鏡は患者の検査や治療中の負傷につながることがあります。また、内視鏡が適切に機能しなかったり破損しているために画像が正しく撮影されないと、誤診や不適切な治療という、やはり重大な結果を引き起こします。

内視鏡の品質上の欠陥や関連する機能障害には、さまざまな原因が考えられます。不適切な取り扱いやメンテナンス不良に加えて、材料疲労や汚染などの要因も対象となります。運搬や保管が不適切だと破損が生じることがあり、単に医療器具が経年劣化することもあります。レンズやその他の光学部品は経年劣化するため、画像がぼやけたりゆがんだりすることがあります。細菌などの病原菌が内視鏡に固着して画質が低下したり、最悪の場合、人体に害を与えたりしないように、定期的に殺菌を行います。しかし、殺菌プロセスは医療器具の品質や精度に影響を与えることもあります。プロセスにおける高温や使用される化学物質により、内視鏡の精密部品に悪影響を与えることがあるためです。特に、熱と蒸気によってレンズ内に湿気がこもり、破損につながることがあります。さらに、ホルムアルデヒドなどの殺菌物質には、金属部分を腐食する作用があります。

考えられる原因が複雑になるほど、内視鏡の破損の範囲が広がります。必要な検査基準の複雑性に効率的に対処するため、Dovideq Medical Systems は特許取得の LightControl 外観検査システムを開発しました。「カメラを活用したため、塵埃、レンズの割れ、不純物や色の偏差などを、外科医の目よりもしっかりと判別できます」と Dovideq Medical Systems の業務執行取締役 Chielant de Wit 氏は言います。

LightControl は IDS の uEye LE カメラを活用し、自動化された外観検査を実行します。モデルの選択には、価格、センサー、サイズが決定的な要因でした。組み込みの USB3 Vision 産業用カメラ U3-3860LE Rev.1.2 は基本機能にそぎ落とされ、光感度の高い Sony 製センサーを搭載しています。統合された IMX290 と BSI テクノロジー (バックサイドイルミネーション) により、くっきりした色分解の卓越した画質が得られ、暗い条件や明るさが変化する条件でも被写体を忠実に再現します。これは非常に重要な点です。カメラは小型かつ軽量、汎用性に富み、コーティングされたプラスチック製ハウジングで堅牢です。このため小型デバイスや組み込みシステムへの統合に最適で、医療技術での使用を予定しています。内視鏡の自動品質検査のために、Dovideq は、カメラを検査し、システムが詳細なフィードバックをリアルタイムでステータスを提供する、6 種類のテストと測定パラメーターを特定しました。

  • 「レンズの割れ」アルゴリズムは、1 枚以上の内部レンズに割れがあるかどうかを測定します。「粒子検出」アルゴリズムは、微細な塵埃、湿気、その他の汚染物質が内視鏡の内部領域に侵入しているかどうかを検出します。どちらの測定も、カメラが数枚の画像を撮影して、それからヒストグラムを作成します。システムは以前の画像と照らして画像を参照し、このデータをニューラルネットワークに送信します。
  • 「光ファイバー」はルクス単位で測定され、光放射に基づいています。光ファイバー測定は参照値を使用して、内視鏡のファイバーまたはファイバーバンドルが十分な量の光を通過させているかを確認します。これにより、内視鏡から不鮮明な画像が撮影されないようにします。
  • レンズを通じた「光転送」は、統合された IDS カメラからの個々の画像を基に決定されます。この目的で、測定デバイスはピクセルプレーンに照射される校正済み光源を使用します。各ピクセルにはカラースペクトラムの特定の RGB 値が割り当てられます。すべてのピクセルの組み合わせが輝度値に変換され、専用に開発されたアルゴリズムを利用して参照されます。
  • 「フォーカス測定」は科学的な Harr ウェーブレット変換を使用して、レンズが劣化せず、汚染されておらず、内視鏡から鮮明な画像が提供されていることを確認します。測定中に、システムは数枚の画像を撮影して各レンズの条件を把握します。最適なケースでは、カメラは内視鏡を通じて撮影し、鮮明な輪郭を表示します。
  • 「色補正」は、殺菌プロセスによる変色を検出するために実行されます。色偏差による画像の誤解釈があると、警告します。この装置は画像を測定して、HSV モデルを使用して色転送の偏差を測定します。このモデルは、Hue (色相)、Saturation (彩度)、Value (輝度) の 3 つの値に基づいて、ピクセルの色を記述します。色補正により、器官や組織の実際の色を再現して、正しくない診断や治療を回避します。

ScopeControl 製品の例による取り扱いの説明

「テストおよび測定の詳細を活用して、テストした内視鏡の性能に関する情報を評価し、履歴およびトレンド分析を作成できます」と Chielant de Wit 氏は説明します。「LightControl は内視鏡測定のすべての詳細情報と、テスト結果を、EndoscopeManager というデータベースに保存し、レポートや管理に使用します。これにより、専用の管理と品質レポートが実現します」

Chielant de Wit 氏によると、顧客が得るメリットは明らかです。「内視鏡の自動外観検査は、品質保証、効率、コスト効果、病院および医療行為における患者の安全性に関与します。 LightControl などのシステムにより、客観的な結果が提供され、内視鏡のどれほど小さな欠陥、キズ、摩耗でも検出されるので、この点で大きな貢献となります。さらに、疲労や人的ミスなどの要因にかかわらず、同じ精度と一貫性で機能し、しかもより速く動作します。時間とコストが節約され、機器の可用性が高くなり、リソース利用率が向上します。欠陥や破損があっても早期段階で検出されるので、コストの高い内視鏡の修理や交換を防止できます。撮影された画像や動画は検査証明として利用でき、故障分析や必要に応じてトレーニング目的で使用できます。

「医療技術では、弊社製品に対する需要は特に昨年増加しており、経済的な観点からも喜ばしいことです」と

— Jan Hartmann、IDS 業務執行取締役 —

今後の予定

「内視鏡は、患者体内の鮮明な内部画像を提供し、医師がさまざまな状態を診断して治療できる、欠かせない医療機器です。しかし、他の医療機器と同様に、内視鏡は摩耗や破損が生じ、時間とともに修理や交換が必要となります」と Chielant de Wit 氏は言います。今でも、内視鏡のインテリジェントな自動外観検査への需要は高く、今後数年でさらに増すと予測されています。
特に、内視鏡手法の数が増え、感染リスクへの感度が高まっているため、自動検査技術への重要なさらに高まるでしょう。さらに、人工知能が検査プロセスの効率と精度の向上を支援し、人的ミスの削減に役立つでしょう。

医療セクターでのニーズは、この分野で使用されるテクノロジーと足並みを揃えて進化しています。IDS カメラの使用価値は、この領域で実証が進んでいます。「医療技術では、弊社製品に対する需要は特に昨年増加しており、経済的な観点からも喜ばしいことです」と、IDS 業務執行取締役 Jan Hartmann は言います。世界中で健康促進に貢献する IDS カメラが増えていくからです。

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