USB 3.0 産業用カメラの初回製品検査 (FAI)

精度を約束された PCB アセンブリ

USB 3.0 産業用カメラの初回製品検査 (FAI)

SMP PCB アセンブリにおいては、正しいコンポーネントを適切な位置に供給することが不可欠です。PCB アセンブリの請負業者である Norcott Technologies に最新の IDS USB 3.0 カメラテクノロジーが採用され、PCB 検査プロセスの自動化に貢献しています。高解像度、高フレームレート、汎用ソフトウェアインターフェース、USB3 による将来的な接続の保証などが決め手となり、Norcott は、初回製品検査の特注システムに USB3 カメラを選択しました。

用途

初回製品検査 (FAI) は、表面実装技術 (SMT) PCB アセンブリプロセスにおいて最も重要な手順の 1 つです。正しいコンポーネントがボード上の正しい位置に配置されるよう、ボードをはんだ付けする前に最終チェックができるからです。通常の生産時に、予期される結果がお客様の認定プロセスに準拠させます。Norcott のシニアビジネスプロセス開発者、Ted Reilly 氏は次のように述べています。「FAI は本質的には手動での検査プロセスですが、数百ものコンポーネントを搭載したボードの場合、それぞれのコンポーネントを目視で見つけてお客様の部品表 (BOM) と比較するのは、途方もなく時間がかかり、面倒でミスしやすい作業です。ビジョンテクノロジーを使用してこのプロセスを自動化すると、BOM を直接参照して SMT コンポーネントの有無、配置と識別を確認でき、時間節約の面でも精度の面でも、大きく前進することができます。

Norcott の最初の特注 FAI XY ビジョン検査システムを示すスクリーンショット
Norcott の最初の特注 FAI XY ビジョン検査システ ムを示すスクリーンショット

弊社の SMT Setup & Quality 部門の根幹をなす要件であり、リフローの前にチェックが済むので、検査を非破壊で実施でき、部門の効率と初回合格率が向上します」

独立した 3 本の表面実装ラインを持つ Norcott は、ラピッドプロトタイプサービスおよび大量の正規生産要件をサポートできる、柔軟な製造施設を提供できます。一般に、表面実装 (SMT) とスルーホール (PTH) コンポーネントを任意に組み合わせて利用できます。

  • 片面 SMT
  • 両面 SMT
  • 片面 SMT + PTH
  • 両面 SMT + PTH
  • 両面 SMT + 両面 PTH

Norcott では最初の特注 FAI XY ビジョン検査システムを約 8 年前に開発しましたが、使用するハードウェアとソフトウェアの老朽化に伴い、新しいシステムが必要になりました。この新しいシステムに、Norcott は、高品質光学機器を搭載して、高解像度 5 メガピクセル IDS UI-3580CP USB 3.0 カラーカメラを選択しました。このカメラは電動 XY プラットフォームに取り付けられ、高倍率下で初回検査を実行します。インハウスで開発された wpf.net ソフトウェアを使用し、Norcott の広範なコンポーネントデータベースおよびリポジトリに統合できます。汎用 UI-3580CP カメラは uEye API を使用して Norcott 独自の wpf.net アプリケーションソフトウェアとリンクされます。この API は、すべての IDS カメラに付属する IDS Software Development Kit (SDK) の一部です。検査対象の PCB がセットされ、コンポーネントはボード上の正しい位置にはんだペーストを使用して保持されます。

さまざまな機能がシステムに組み込まれており、オペレータは顧客の BOM を即座にロードできます。BOM には使用される部品やコンポーネントのリストと、顧客が指定したプリント基板上への配置情報が含まれています。各コンポーネントが BOM から呼び出されると、カメラは自動的に検査する正しい位置に移動します。セットアップ作業は不要です。起動から 2 分以内に検査準備が整います

カメラシステムは 50 mm 四方の視野を撮影し、SMT コンポーネント、PCB、はんだペーストを、サイズ 0201 のコンポーネントをも処理できる解像度で表示します。高倍率が必要な場合、ズーム機能を利用できます。独自のソフトウェアにより、多様な情報をリアルタイムで表示して、各コンポーネントの有無、配置、方向、部品マーキング、極性、およびその他の多数のパラメーターを視覚的にチェックできます。

検査に合格したボードは、はんだ処理に進みます。ボードと BOM に不一致がある場合、Norcott のエンジニアチームが検証できるよう、ソフトウェアがコンポーネント画像の高解像度コピーを共有フォルダーに保存します。

産業用カメラ

コンパクトな UI-3580CP Rev. 2 USB 3.0 カメラのサイズはわずか 29 x 29 x 29 mm で、極めて丈夫で軽量なマグネシウム製ハウジングを備えています。onsemi 製の 4.92 メガピクセル MT9P006STC CMOS カラーセンサーを搭載しています。onsemi は、世界最大級の CMOS センサーメーカーの 1 社に数えられています。0.5 インチセンサーの解像度は 2560 x 1920 ピクセルで、ローリングシャッターとグローバルスタートシャッター機能を搭載しているので、移動物体にも静止物体の画像の録画にも使用できます。画期的な A-Pix™ ピクセル技術により、センサーは光感度に非常に優れています。このため、演色や鮮明な画質で高精細が要求される用途に最適です。A-Pix™ ピクセル技術の基本は導波路による集光で、カラーフィルターから集光した入射光をフォトダイオードの表面に当てます。ピクセル技術の構造とプロセスにおける改善によって、センサーの感度が、特に赤と緑の域において、以前のバージョンのセンサーおより 30% 向上しました。これらのセンサーが生成するシャープで低ノイズの画像は、産業分野の検査用途に理想的です。AOI (対象範囲) 機能を使用すると、画像処理をフル HD 解像度で実施できます。ビニング機能を使用してコントラストを強調でき、センサーのサブサンプリングによってプレビュー画像を即座に取得できます。128 MB の画像バッファーが内蔵され、マルチカメラ用途に最適です。またスタンバイモードにより、スリープモードでの消費電力が最小になります。

USB 3.0

IDS USB 3.0 カメラ製品は、OEM のみならず、Norcott などのエンドユーザーにも広く受け入れられています。ボードレベルバージョンからフルハウジングバージョンまで、多様なカメラ製品を取り揃えています。すべてに最新の CMOS センサーが搭載され、さまざまな解像度とフレームレートの中から、各用途に対応するものを選択できます。USB 3 インターフェースは「プラグアンドプレイ」方式の接続と最大 420 MByte/s の高速データ転送によって、広く普及しています。さらに、IDS SDK はさまざまなシステムのインターフェースに柔軟に対応し、厳しい撮影条件でも画質を大幅に向上できる多数の制御機能を発揮します。

このような多数の要素によって、Norcott は IDS のカメラを購入することを決定しました。Ted Reilly 氏は、次のように続けます。「私たちに必要なカメラには検査に必要な画質を実現することはもちろん、将来性もまた必要な要因でした。そこで、標準の ISB 3.0 インターフェースを選択したのです」「UI-3580CP カメラは用途に最適でした」と同氏はさらに続けます。「API によって直接カスタムソフトウェアと連携でき、しかも価格は非常にリーズナブルでした。IDS は評価段階を通じて非常に協力的で、何かと手を貸してくれました。この状態は、信頼できる技術サポートとリソースによって、カメラを購入した時点から現在まで継続しています」

Norcott では現在 2 台目の初回製品検査システムを構築中です。今回もまたカメラとしてUI-3580CP を選択し、新しい SMT 生産ラインで稼働させる予定です。

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