USB Power Delivery でカメラの周辺機器にも給電
USB Power Delivery 対応の USB 3.1 Gen 1 ボードレベルカメラなら、スペースとコストを節約でき、電源を気にせずに済みます。
新しい USB Power Delivery 仕様 3.0 では、USB ケーブルで最大 20 V を 5 A (100 W) で伝送できます。IDS Imaging Development Systems GmbH の uEye LE USB 3.1 Gen 1 など、単体での消費電力が 2 W 未満の USB カメラでは、この機能はそれほど重要ではありません。しかしマシンビジョン用途では、シーン内の物体を明るく照らすための強力な LED ランプなどの周辺機器がカメラに接続されることがよくあります。このような機器には、電源装置が追加で必要になります。しかし、特に組み込み用途ではコストとスペースの削減が求められます。
ボードレベルバージョンの uEye LE USB 3.1 Gen 1 には USB Type-C コネクターが装備され、I/O コネクターに接続されたカメラの周辺機器にさまざまな電力を供給します。対応範囲は 5 ~ 15 V です (出力 1 A)。カメラは、ホストから USB 接続で必要な電力を要求できます。USB Power Delivery (PD) 能力は、カメラ (アップストリーム側ポート) とホスト (ダウンストリーム側ポート) との間で、指定された PD プロトコルによってネゴシエートされます。I/O 電圧に使用できる電力プロファイルは、uEye API を使用して選択できます。
uEye カメラの I/O コネクターでさまざまな電力を供給するには、カメラが USB PD 対応電源プロバイダーに機能完備の USB Type-C ケーブルを使用して接続されている必要があります。デバイスは USB Type-C ケーブル内の専用 CC (構成チャネル) 線を使用して通信します。カメラが PD 通信先に到達できない場合、使用できるのは、電流 900 mA の「通常」の 5 V USB 電力のみです。
データ転送速度に優れた USB 3.1 Gen 2 や USB Power Delivery によるインテリジェントな電力供給など、新しい USB Type-C 接続の可能性は広大です。これは、この新たなカメラ接続テクノロジーの開発に時間を割いて、産業用カメラにこの新しいコネクターをいち早く搭載させる、十分な理由となります。
まとめると、uEye LE USB 3.1 Gen 1 カメラは、5 ~ 15V の USB PD 電圧プロファイルで動作できます。カメラの周辺機器には要求された余剰電力を使用して給電でき、電源装置を追加する必要はありません。このようにして、電源装置のスペースとコストを節約できます。uEye LE USB 3.1 Gen 1 の USB Power Delivery はいわば、カメラの周辺機器の「スマートポテンショメーター」として機能します。